北欧神話のヘルメス(ギリシャ神話)といえば?

ギリシャ神話に登場するヘルメスは、神々の使者であり、商業や旅人、盗賊、弁舌の神としても知られています。彼は俊敏で狡猾な性格を持ち、翼のついたサンダルを履いて神々の世界と人間界を自由に行き来しました。また、死者の魂を冥界へ導く役割も担い、神話の中で非常に多様な顔を持つ存在です。

 

では、北欧神話においてヘルメスに相当する神はいるのでしょうか?北欧神話にも、知恵や機知に優れ、移動能力に長けた神々が登場します。本記事では、まずヘルメスの特徴を整理し、北欧神話で彼に近い神々を探っていきます。

 

 

ヘルメスとは

まずは、ギリシャ神話におけるヘルメスの役割と特徴を見ていきましょう。

 

神々の使者

ヘルメスは、ゼウスの命を受け、神々の意志を伝える役割を果たしました。その俊敏さを生かし、天上界・地上・冥界を自由に行き来することができました。

 

商業と盗賊の神

商人や旅人の守護神であると同時に、盗賊の神ともされています。これは、彼が非常に狡猾で機知に富んだ性格を持ち、他者を出し抜く能力に長けていたためです。

 

死者を冥界へ導く存在

冥界の神ハデスに仕え、死者の魂を冥界へと導く役割も持っていました。そのため、ヘルメスは冥界の世界とも深い関わりを持っていたのです。

 

北欧神話のヘルメスに近いキャラ

では、北欧神話の中でヘルメスと似た性質を持つ神々を見ていきましょう。

 

ロキ

悪戯好きで賢く、機知に富んだ神であるロキは、ヘルメスに最も近い存在と言えます。彼は神々の間を行き来し、時には助言を与え、時には混乱を引き起こす役割を担っていました。

 

オーディン

北欧神話の主神であるオーディンは、知識と魔術に長けており、また死者を冥界へ導く存在としても知られています。この点で、ヘルメスと似た側面を持っています。

 

ヘイムダル

神々の見張り役であり、ラグナロク(終末の日)において警鐘を鳴らす役目を担うヘイムダルは、神々の伝令という点でヘルメスと共通点があります。

 

余談:ギリシャと北欧の神々の役割の違い

ギリシャ神話ではヘルメスが神々の使者や知恵者の役割を一手に引き受けていますが、北欧神話ではその役割が複数の神に分散しています。北欧の文化では、神々の役割がより細分化され、異なる神々がそれぞれの分野で活動しているのが特徴的です。

 

このように、北欧神話にはヘルメスと完全に一致する神はいませんが、知恵と狡猾さを持つロキ、知識と冥界のつながりを持つオーディン、神々の伝令役のヘイムダルが、それぞれ異なる側面で共通点を持っています。神話を比較することで、それぞれの文化が持つ神々の役割の違いが浮かび上がってくるのです。