北欧神話のアレス(ギリシャ神話)といえば?

ギリシャ神話におけるアレスは、戦争の神として広く知られています。しかし、彼の戦いは戦略的なものではなく、破壊と混乱をもたらす好戦的な性格が特徴でした。そのため、ギリシャ神話の中ではしばしば冷遇される存在でもありました。

 

では、北欧神話にはアレスに似た神はいるのでしょうか?北欧神話には、戦争に関わる神が複数登場しますが、それぞれに異なる性格や役割があります。本記事では、まずアレスの特徴を振り返り、北欧神話の中で彼に近い神々を探っていきます。

 

 

アレスとは

まずは、ギリシャ神話におけるアレスの役割と特徴を整理してみましょう。

 

戦争と混乱の神

アレスは戦争を司る神ですが、冷静な戦略家というよりも、戦場での混乱や血に飢えた戦いを好む存在でした。彼の戦いは計画性がなく、感情的で、しばしば神々の間でも敬遠されていたのです。

 

恋愛と対極の性格

彼は美の女神アフロディテと関係を持ちましたが、その性格は対照的でした。愛と美を象徴するアフロディテとは異なり、彼は暴力と破壊の象徴として描かれることが多かったのです。

 

ローマ神話での変化

ギリシャ神話では否定的に扱われることの多かったアレスですが、ローマ神話においてはマルスと名を変え、国の守護神としてより尊重されるようになりました。

 

北欧神話のアレスに近いキャラ

では、北欧神話においてアレスと似た性質を持つ神々を見ていきましょう。

 

トール

雷神として知られるトールは、戦士の守護者でもあります。彼はミョルニル(雷槌)を振るい、巨人族との戦いを繰り広げました。ただし、彼の戦いはアレスのような無秩序なものではなく、秩序を守るためのものでした。

 

テュール

戦争と勝利の神であるテュールは、より戦略的な面を持つ神です。彼は知恵と勇気を兼ね備え、フェンリル狼を封じる際に自らの手を犠牲にしたことでも知られています。

 

オーディン

知恵と魔術を司る神であるオーディンも、戦争と深い関わりがあります。彼は戦場において戦士たちの魂をヴァルハラへ導き、戦の行方を操る存在でした。

 

余談:ギリシャと北欧神話の戦争観の違い

ギリシャ神話における戦争の神は、感情的で破壊的な側面を持つアレスと、戦略と知恵を重視するアテナに分かれています。一方、北欧神話では、戦争に関わる神々は全体的に秩序を守るための役割を持っており、単なる混乱を引き起こす存在は少ないのです。

 

このように、ギリシャ神話のアレスに近い神々は北欧神話にも存在しますが、全く同じ性格を持つ神は少ないといえます。特にトールテュールは戦士としての側面を持っていますが、アレスほど無秩序ではありません。北欧神話の神々は、戦いを混乱ではなく秩序の維持のために行うという点で、大きな違いがあるのです。