アイルランド神話の「魔眼のバロル」の能力とは?

ケルト神話の中で、特にアイルランド神話において「魔眼のバロル(Balor of the Evil Eye)」として知られる強力な巨人が登場します。バロルはフォモール族(Fomorians)の王であり、その片目は開くとすべてを破壊する邪眼の力を持っていたと伝えられています。

 

本記事では、バロルの能力やその神話について詳しく解説します。

 

 

バロルとは?

バロル(Balor)は、アイルランド神話に登場するフォモール族の王であり、恐るべき魔眼を持つ存在です。彼の目は、開かれるとあらゆるものを焼き尽くす破壊の力を持つとされています。

 

バロルの基本情報
  • フォモール族(Fomorians)の王。
  • 魔眼を持ち、開くとすべてを焼き尽くす。
  • トゥアハ・デ・ダナン(Tuatha Dé Danann)の宿敵。
  • 孫のルー(Lugh)によって倒される運命を持つ。

 

バロルの魔眼の能力とは?

バロルの最も有名な能力は、「邪眼(Evil Eye)」と呼ばれる魔眼の力です。この目は普段は閉じられていますが、一度開かれるとすべてを破壊し、敵を焼き尽くす力を発揮します。

 

バロルの魔眼の能力
  • 破壊の光線:目を開くと、敵を即座に焼き尽くす。
  • 呪いの視線:邪悪なエネルギーを放ち、相手を死に至らしめる。
  • 制御不能の力:魔眼の力は強大すぎるため、通常は閉じられている。
  • ルーによる撃破:孫のルー(Lugh)によって倒される運命を持つ。

 

バロルの魔眼の伝説

バロルの魔眼は、誕生の際に毒の煙にさらされたことで生じたと言われています。そのため、彼の目は呪われた力を持ち、一度開かれると軍勢を一瞬で殲滅するほどの威力を発揮しました。

 

バロルの魔眼に関する伝説
  • 幼い頃、毒の煙を浴びたことで魔眼の力を得た。
  • 目を開くと、敵軍を瞬時に焼き尽くす。
  • 強大な力ゆえに、普段は閉じられ、部下たちが縄で持ち上げて開けていた。
  • トゥアハ・デ・ダナンとの戦いで、孫のルーに倒される。

 

バロルとルーの宿命の戦い

バロルは、ある予言によって「孫に殺される」という運命を知り、娘のエスリウ(Ethniu)を閉じ込めました。しかし、彼女は密かにトゥアハ・デ・ダナンの神カイネ(Cian)との間に子をもうけ、その子が英雄ルー(Lugh)として成長します。

 

バロルとルーの戦い
  • バロルはルーの誕生を防ぐため、娘を監禁した。
  • ルーは成長し、トゥアハ・デ・ダナンの英雄となる。
  • 最終決戦で、ルーはバロルの魔眼を開かせる前に槍を投げ、額を貫く。
  • バロルの魔眼は死の間際に開き、フォモール族の軍勢を焼き尽くした。

 

バロルの魔眼の影響と類似神話

バロルの魔眼は、後のヨーロッパ神話やファンタジー作品にも影響を与えています。

 

類似する神話・伝説

  • ギリシャ神話:メドゥーサの邪視(見た者を石化させる力)。
  • 北欧神話:スルト(Surt)の燃え盛る剣(世界を焼き尽くす力)。
  • 日本神話:天目一箇神(アメノマヒトツノカミ)、一つ目の神として共通点がある。

 

現代のファンタジー作品での影響

バロルの魔眼の概念は、現代のファンタジー作品にも多くの影響を与えています。

 

  • 『ロード・オブ・ザ・リング』の「サウロンの眼」:すべてを見通す邪眼。
  • 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の「ベヒルダー」:魔眼を持つ怪物。
  • 『ファイナルファンタジー』シリーズの「バロル」や「邪眼系モンスター」。

 

「魔眼のバロル」とは、ケルト神話に登場するフォモール族の王であり、開けばすべてを焼き尽くす破壊の魔眼を持っていました。彼は最終的に孫のルーに討たれますが、その強大な力は今なお多くのファンタジー作品に影響を与えていますね。