
北欧神話の世界創造の物語は、混沌から秩序が生まれる壮大な神話です。他の神話と違い、炎と氷の衝突によって最初の生命が誕生し、そこから神々や巨人、世界そのものが生まれるというユニークな構造を持っています。
本記事では、北欧神話における「世界の始まり」について、順を追って詳しく解説していきます。
まず大前提として、北欧神話の世界は、ユグドラシル(世界樹)を中心に構成され、以下の九つの世界が存在するとされています。
このように、北欧神話の世界は混沌から秩序が生まれ、神々が世界を形作るというダイナミックな神話になっています。 これら9つの世界がどのように誕生したのか、以下で解説していきますね。
北欧神話では、世界は何もない無の空間から始まり、氷と炎の対立によって生命が生まれたとされています。
最初に存在したのは、何もない混沌の空間「ギンヌンガガプ(Ginnungagap)」でした。
氷と炎が交わることでユミル(Ymir)という原初の巨人が誕生しました。ユミルは北欧神話における最初の生き物であり、すべての巨人族の祖先です。
しかし、ユミルは無秩序な存在であり、神々によって滅ぼされる運命にありました。
後に誕生した神々の中で、特に強力な存在であったのが、オーディンと彼の兄弟であるヴィリとヴェーです。彼らは、ユミルを殺し、彼の体を使って世界を創造しました。
こうして、神々はユミルの死体から世界そのものを創り上げたのです。
次に、オーディンたちは人間を創造しました。彼らは、海岸に流れ着いた二本の木(トネリコとニレ)から最初の人間アスク(男)とエンブラ(女)を作り、命を吹き込みました。
オーディンたちは、それぞれ人間に必要なものを与えました。
こうして、人間は神々の恩恵を受けた存在として誕生しました。
北欧神話における世界の始まりは、氷と炎の衝突から始まり、原初の巨人ユミルの死体から世界が創られるという、壮大でユニークな物語です。
この物語は、秩序と混沌の対立を象徴しており、北欧神話の壮大な世界観を示しているのです。