


森に立つフレイヤ
愛と富の加護をもたらす女神。
情熱的で独立的という性格づけが語られる。
出典:『Freya by C. E. Doepler』-Photo by Carl Emil Doepler/Wikimedia Commons Public domain
愛と美、そして戦の女神として知られるフレイヤ。
北欧神話の中でもとりわけ魅力的な存在であり、その輝きは神々の世界にとどまらず、人間の世界にも深く影響を及ぼしてきました。
そんな彼女の性格は、ただ「美しい」だけでは語り尽くせません。
愛する者のためには涙を流し、欲しいもののためには自ら行動し、時には戦場に舞い降りる──その姿から伝わってくるのは、揺るぎない情熱です。
そして、自由を愛し自然と共に生きる彼女は、深い感受性と生命力を備えた神でもあります。
本節ではこの「フレイヤの性格」というテーマを、愛に生きる情熱的な性格・欲望を隠さぬ率直な性格・自然と深くつながる自由な性格──という3つの視点から、ざっくり楽しく紐解いていきたいと思います!
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フレイヤといえば、まず思い浮かぶのが愛と情熱の神というイメージです。
彼女は恋愛や結婚、出産など“人間の心の根源”に関わる分野を司る存在として、信仰されてきました。
でも、その性格は単なるロマンチストではなく、愛することに全力を注ぐ、熱くてまっすぐな性格だったんです。
とくに印象的なのが、夫オーズが姿を消した時のエピソード。
フレイヤは世界中をさまよいながら夫を探し、その悲しみから涙を流し続け、その涙が黄金になったと伝えられています。
感情を抑えず、愛を惜しまず注ぐ姿──そこに、彼女の情熱的な性格がはっきりと表れています。
フレイヤは、神々の中でも自分の感情や欲求に対して非常にオープンな存在です。
何かを欲しいと思えばそれを手に入れるために動き、恥じらうことなく自分の意志を通そうとします。
たとえば、有名なエピソードのひとつに「ブリーシンガメン」という美しい首飾りを手に入れるため、彼女がドワーフたちのもとを訪れる話があります。
この首飾りを手に入れるために、フレイヤは自らの身体を代償にすることを選んだとも伝えられています。
それは決して「軽率な行動」ではなく、自分の欲望を理解し、それに対して誠実であろうとする選択。
誰かに決められた“正しさ”ではなく、自分自身の感情に従って生きる強さ──それが、フレイヤの率直で情熱的な性格の根幹にあるのです。
そして忘れてはならないのが、フレイヤが森や野原、動物たちと深くつながった存在であるということ。
彼女の乗り物は戦車ではなく、なんと2頭の猫に引かれた馬車。このことからも、自然界の生命に対する愛情と共感が伝わってきますよね。
また、フレイヤは“森の神”や“野に咲く花”の象徴とされることもあり、大地の豊かさや命の循環とともに生きていた神でした。
北欧の伝承では、フレイヤがときおり姿を変えて森を歩いているという話も伝えられています。
自然の風に身を委ね、決まりきった型に縛られることなく、思うままに動き、感じ、愛する──まさに「魂の旅人」とも呼びたくなるような性格です。
彼女にとっての“自由”とは、ただ束縛を逃れることではなく、自分自身の心に正直に生きることだったのでしょう。
というわけで本節では、愛と美、そして戦の女神フレイヤの性格について掘り下げてみました。
愛にすべてを注ぐ情熱、欲望にも正直で誇りを持つ強さ、そして自然と調和して生きる自由さ──彼女の姿には、人間的な魅力と神秘的な輝きが同時に宿っています。
森と共に生き、涙を黄金に変えるようなフレイヤの生き方は、きっと今の私たちにも、「心のままに生きることの美しさ」を教えてくれているのかもしれませんね。
🔥オーディンの格言🔥
フレイヤ──わしの目から見ても、最も自由で、最も情熱に満ちた魂じゃ。
愛する者のために黄金の涙を流し、戦場では魂の価値を見極め、魔法の秘奥にまで踏み込む。
その美は飾りではなく、“選び取る覚悟”の燃える証なのじゃ。
しきたりにも、恐れにも縛られぬその姿は、まさしく「自由という名の火の女神」。
女神たるもの、ただ慈しむにあらず──自ら動き、掴む力をもたねばならぬのじゃ。
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