北欧神話の原典って何語なの?

北欧神話の原典は、主に古ノルド語(Old Norse)で書かれています。古ノルド語は、9世紀から14世紀頃まで北欧(スカンディナヴィア)で話されていた言語で、アイスランド語やノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語の祖先にあたります。

 

北欧神話の主な原典は、13世紀のアイスランドで書かれた『エッダ』と『サ』と呼ばれる文献です。特に以下の二つが重要です。

 

  • 『古エッダ(Poetic Edda)』:詩の形式で神々の物語を伝える。
  • 『スノッリのエッダ(Prose Edda)』:散文で書かれた神話解説書。

 

本記事では、北欧神話の原典の言語と、それを記した主要な文献について詳しく解説します。

 

 

北欧神話の原典は何語で書かれている?

北欧神話の原典は、主に古ノルド語(Old Norse)で記されています。この言語は、ヴァイキング時代のスカンディナヴィアで広く使われていたもので、現代のアイスランド語と特に近い関係があります。

 

古ノルド語の特徴
  • ヴァイキング時代(8〜11世紀)に話されていた。
  • ルーン文字(フサルク)でも書かれたが、13世紀にはラテン文字で記録された。
  • 現代アイスランド語と文法的に近く、比較的読解しやすい。

 

北欧神話の原典とは?

北欧神話の内容は、口承で長く伝えられた後、中世アイスランドで書物に記されました。主な原典として、以下の二つの『エッダ』が重要です。

 

北欧神話の主要な原典
  • 『古エッダ』(Poetic Edda):詩の形式で神話を伝える。
  • 『スノッリのエッダ』(Prose Edda):スノッリ・ストゥルルソンが書いた神話解説書。
  • 『サガ(Sagas):歴史や英雄譚を伝える物語群。

 

『古エッダ』:詩のエッダ

『古エッダ』(Poetic Edda)は、神々や英雄たちの物語を詩の形式で伝える文献です。

 

『古エッダ』の特徴
  • 13世紀にアイスランドで書かれたが、内容は9〜10世紀のもの。
  • 韻を踏んだ詩の形式で神話が記述されている。
  • 『巫女の予言(Völuspá)』など、ラグナロクの物語が含まれる。

 

『スノッリのエッダ』:散文のエッダ

『スノッリのエッダ』(Prose Edda)は、アイスランドの詩人で歴史家のスノッリ・ストゥルルソン(Snorri Sturluson, 1179-1241)によって書かれた神話解説書です。

 

『スノッリのエッダ』の特徴
  • 神々の物語を散文で説明し、詩人のための手引きとなる。
  • 神話の詳細な解説が含まれ、登場する神々の関係が整理されている。
  • 『ギュルヴィの幻惑(Gylfaginning)』などが有名な章。

 

『サガ』:歴史と英雄の物語

『サガ(Sagas)』は、主にアイスランドで記された歴史的・伝説的な物語群です。

 

『サガ』の特徴
  • 北欧の英雄やヴァイキングの冒険を記録した物語。
  • 『ヴォルスンガ・サガ(Völsunga saga)』では、英雄シグルズが描かれる。
  • 神話と歴史が混ざり合った内容となっている。

 

北欧神話の原典が現代に与えた影響

北欧神話の原典は、現代のファンタジー文学やゲームに大きな影響を与えています。

 

ファンタジー作品での登場

  • 『ロード・オブ・ザ・リング』:J.R.R.トールキンが北欧神話を参考に執筆。
  • 『マイティ・ソー』シリーズ:マーベルが北欧神話を元に創作。
  • 『ゴッド・オブ・ウォー』:北欧神話の原典に基づいたストーリー展開。

 

北欧文化との関連

  • アイスランドでは現在も『エッダ』が重要な文化的遺産とされる。
  • 古ノルド語の詩や物語は、スカンディナヴィアの文学や芸術に影響を与えている。
  • ヴァイキング文化の研究において、『エッダ』と『サガ』は貴重な資料となっている。

 

北欧神話の原典は、主に古ノルド語で記され、『エッダ』や『サガ』といった書物に収められています。これらの物語は、神々や英雄たちの壮大な伝承を後世に伝え、現代のファンタジー作品にも大きな影響を与えているのですね。