
北欧神話の世界には、氷と雪にまつわる存在が数多く登場します。その中でも特に「氷の女王」にふさわしいとされるのが、ヨトゥン族(巨人族)の女性たちです。彼女たちは冷たい氷の国ニヴルヘイムやヨトゥンヘイムに住み、神々との関わりを持つこともありました。
本記事では、北欧神話における「氷の女王」として語られる存在を紹介し、それぞれの物語や特徴について解説していきます。
北欧神話の中で「氷の女王」とされるのは、主にヨトゥン族の女性たちです。ヨトゥン族は神々の敵として描かれることが多いですが、その中には神々と恋に落ちたり、知恵を授けたりする者もいました。
北欧神話で最も有名な「氷の女王」といえばスカジです。彼女は氷の国ヨトゥンヘイムの巨人族の娘で、父親の死の復讐のためにアース神族のもとを訪れました。しかし、彼女は神々との争いを避けるため、和解の条件として神の中から夫を選ぶことになります。
ただし、夫選びの条件は「足だけを見て決める」ことでした。彼女は美しいバルドルを選ぶつもりでしたが、実際には海の神ニョルズを選んでしまいます。スカジとニョルズの結婚はうまくいかず、結局彼女は離婚し、再び雪と氷の世界へ戻っていきました。
アングルボザは、ヨトゥン族の女性であり、ロキの妻として知られています。彼女はラグナロクで神々と戦うフェンリル(巨大狼)、ヨルムンガンド(世界蛇)、ヘル(死者の国の女王)の母親でもあります。
アングルボザ自身は氷や雪の女王としての直接的な記述はありませんが、ヨトゥンヘイムの氷の地に住む存在として描かれ、神々にとって脅威の母であったことから「氷の女王」の一角として考えられるでしょう。
リーヴは、ラグナロク後の新世界で生き残る女性とされる存在です。彼女の名前は「生命」を意味し、極寒の冬の中でも生き延びる力を持つとされています。直接的に「氷の女王」とは呼ばれませんが、氷の世界を生き抜く存在として重要な役割を果たします。
スカジのように、氷の女王たちは神々と結びつくことがありました。彼女たちはしばしば神々と結婚し、神々の運命に影響を与える存在でした。
アングルボザのように、氷の女王たちはラグナロク(世界の終焉)に深く関与することもありました。彼女の子供たちは神々にとって最大の敵となり、最終決戦で重要な役割を果たします。
スカジは、雪山や狩猟の女神としても知られています。彼女の存在は、北欧の厳しい冬や狩猟文化と深く結びついています。
北欧神話における「氷の女王」として最もふさわしいのは、やはりスカジでしょう。しかし、それ以外にもアングルボザやリーヴのような女性が、氷や冬の世界と関係していました。
このように、氷の女王たちは北欧神話の中で重要な役割を果たしていたのです。