


トールが巨人と戦う場面
雷神トールがミョルニルを振り下ろして巨人たちをなぎ倒す瞬間を描いた歴史画。
北欧神話の武勇と雷の力を象徴している。
出典:『Tor's Fight with the Giants』-Photo by Mårten Eskil Winge/Wikimedia Commons Public domain
「北欧神話って面白そうだけど、むずかしそう…」って思ったことありませんか?
雷神トールの大暴れ、ロキの悪だくみ、そしてラグナロクで世界が終わる話など、聞けば聞くほどワクワクするのに、「どこから読めばいいの?」って戸惑っちゃうんですよね。
でも、じつは北欧神話って神話のなかでもかなり“親しみやすい”部類なんです。
最初の一歩さえつかめれば、あとはどんどん夢中になっていくはず。
というわけで、この章では「北欧神話の学び方」について、神話の特徴を知る・おすすめの学び方・楽しみ方のコツ──という3つのポイントに分けて、いっしょに見ていきましょう!
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まずは、そもそも北欧神話ってどんな神話なのか、ざっくり知っておきたいですよね。
この神話はスカンジナビア地方(現在のノルウェー・スウェーデン・アイスランドなど)に伝わる神さまたちの物語で、自然や運命、人間の生き方についてたくさんのエピソードが語られています。
たとえば、主神オーディンは知恵を求めて自分の片目を差し出したり、トールはすぐカッとなって戦ったり、ロキはウソをついたり、泣いたり笑ったりと、まるで人間みたいなんです。
完全無欠じゃない、ちょっとドジな神々の姿が、北欧神話のいちばんの魅力。
そして、最終的にはラグナロクという「世界の終わり」がやってくるという、ちょっと切ないけど力強いストーリー構成も、北欧神話ならではの特徴なんですよ。
「入門」といっても、いきなり難しい資料や古い文献を読むのはハードルが高いですよね。
だからこそ、まずは現代の作品や簡単な解説書からはじめるのがオススメです。
たとえば、マーベル映画の『マイティ・ソー』を観たことがある人は多いんじゃないでしょうか?
あれもじつは北欧神話をベースにした現代版なんです。
もちろん、子ども向けの絵本やマンガでもOK。
登場人物や出来事の“ざっくりした流れ”がつかめれば、あとは自然と神々の名前や関係が頭に入ってきます。
さらに、「エッダ」という神話集──『詩のエッダ』や『スノッリのエッダ』──の現代語訳も、優しい解説付きのものが出ているので、気になった方はぜひ読んでみてくださいね。
まずは「気軽に」「自分が面白いと感じるところから」触れるのが、いちばんの近道です!
少しずつ神々やエピソードが頭に入ってくると、「あれ、この話どこかで聞いたことあるぞ…?」とつながりが出てきます。
そうなってきたら、ぜひ自分だけの「楽しみ方」を見つけてください。
たとえば、「オーディンは戦の神だけど、じつは詩や魔法の神でもある」と知ると、意外な一面が見えてきたり。
あるいは、北欧神話と他の神話──ギリシャ神話や日本神話──と比べてみると、似てるところやぜんぜん違うところが見つかって、発見の連続なんです。
神話はただの昔話じゃなくて、人々の考え方や価値観がぎゅっとつまった文化そのもの。
だからこそ、読み進めるほどに「これは今の世界にも通じるなぁ」と感じることがたくさん出てきます。
「全部覚えなきゃ」と思う必要はまったくありません。
自分のペースで、気になった話をちょっとずつたどっていけば、きっといつの間にか“神話オタクの仲間入り”になっているかも!
⚡オーディンの格言⚡
わしらの物語は、ただ神々の力を誇るために紡がれたわけではない。
トールの猛き槌も、ロキの気まぐれも──そのすべてが「学びの入口」となる。
世界樹の枝葉に隠された叡智を解くには、まず一歩を踏み出すことじゃ。
神話とは、語られし昔の出来事にして、今を照らす灯火なのじゃ。
わしの名が詩と魔法に通じておるように、物語は魂に宿る道標となる。
書を読むもよし、絵を眺めるもよし──
そなたにとって「面白い」と思うその感情こそが、九つの世界を渡る鍵となろう。
知ることを恐れず、笑いと驚きに満ちたこの旅路を進め。
やがて神々の声が、風となってそなたの耳に届く日が来るじゃろう。
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